ただでさえ近かった距離が詰まって、隣に座るミカエルの顔がぐいぐいアンの顔に近づく。アンの心を見透かすミカエルには敵わない。
アンは身体中の神経が全部ミカエルに向いていた。
ミカエルに見て欲しいって、
この火照る肌に触れてみて欲しいって
身体が勝手にアピールしている。
勝手にミカエルを誘うフェロモンがまき散らされて、アンの身体の火照りが止まらないのだ。
「アンの嘘つき」
幼い頃からずっとアンだけを見つめているミカエルに、アンの機微がわからないはずがない。
「俺のこと大好きなくせに」
ミカエルについに恋を寄せてくれたアンの恥じらいを見逃さない。ミカエルは両腕を広げてアンを抱き締めた。
アンはミカエルに触れて欲しがっていた肌が求めた感触を得て、ゾクゾク下腹が鳴いた。
「ほら、嫌がらない」