しかし、パーティで大恥をかかされたリリア嬢率いる傷物令嬢ありえない派は、まことしやかに囁いたのだ。


「あの傷物令嬢は魔王で、王太子を魅了してそそのかしているに違いないわ」


親指の爪先がギザギザになるまで、リリア嬢は妬みに駆られて指先を齧った。