「……」

しかししばしの沈黙の後……

「え?」

「ん?」

雨が眉間に皺を寄せ、首を傾げた。

そして叫んだ。

「えぇーーーーーーーーーーーー!?!?」

「ちょっ、おまっ、シー!声抑えろ!」

「いや、だって……っ、、え…、澪奈ちゃんの命を!?ダークナイトが!?しかも、柚季さんが殺すんですか!?しかも澪奈ちゃん記憶喪失!?」

「だからそう言ってんだろ!」

「じょっ…、情報量が多すぎますって。てか!何考えてるんですか!?いいですか!?柚季さん。人を殺したら刑務所に行きます。幹部どころじゃないですよ!?」

「いや、だからその辺は警察にバレないように…」

「日本の警察なめてるんですか!?」

「…はい、すんません」

雨の怒りに押し負け、いつの間にか俺はペコペコと謝っていた。

「でもさ……」

俺は震える手を押えながらゆっくりと口を開く。澪奈がうちに来た日を思い出していた。

「いくら総長の指示でも…、殺せねぇ、って思うんだよ……最近。」