ああーもう!なんてしつこいんだ!こいつは…!

頭を掻きむしり、ティアラを睨みつける。

すると俺らの言い争いに澪奈が恐る恐る介入してきた。

「ティアラ、さん…」

「ん?なぁーに?かわい子ちゃん♡」

「あの……っ、柚季は…私を…っ、」

必死に言葉を選んでいるようで間を置きながら澪奈は言った。

「…私を…っ、その…暗闇から救ってくれたヒーローなんです……っ、だから……っ」

言いかけて、俺を庇うようにティアラの前にやってきた澪奈は一瞬でキラキラな瞳を作り上げた。星でも宿しているみたいな。

「そんなに…責めないで…あげてください…っ」

澪奈…っ。なんて破壊力のある言葉なんだ…。

さっきまで俺に尋問を掛けていたティアラもその一言で一瞬で澪奈の虜に。

「かっ、かわい子ちゃん…」

根負け、とでも言うようにいつの間にか両手を合わせ、まるで拝んでいるような姿勢になっていた。

「かわい子ちゃんてば…、そんな瞳で見つめられたら…っ、あたし……、あたし…っ」

次の瞬間ティアラは、豪快に澪奈の体を引き寄せ、豪快に抱きついた。

「んぎゅー……っ!!」

もう理性がぶっ壊れておかしくなってしまったようだ。……正気の沙汰じゃねぇ。

「んぎゅー、……です」

まぁ、丸く収まったならいいことだが…。

みおなー…。

こいつ一応男、なんだからなー…。

俺の中でモヤモヤ立ち込める気持ちは恐らく‪”‬嫉妬‪”‬というやつだろう。自覚しつつもやっぱり俺の心は嫉妬心に苛まれていった。