ティアラに知られたらなんか色々言ってきそうだからな。

‪”‬西島のバカ野郎が不健全なことしてる‪!”‬

とか、あいつの言いそうなことだ。

「おはよう…ございます。ティアラさん……」

おでこをベッドに押し付け、まるで旅館の女将のように挨拶する澪奈。その姿にティアラは首を傾げていた。

「あれっ?こんな子だっけ?」

「…まぁ、それはいいんだよ。それより澪奈に会いに来ただけか?だったらもういいだろ。とっと出てけ」

前2人が会った時は澪奈記憶なんもなかったからな…。どうやらティアラには前回会った時の澪奈の残像がくっきりと残っているようだ。

「西島のバカ野郎!このアパートではあたしが先輩なんだからね!?この大先輩に向かって大口を叩くな、バカ野郎!」

「たった半年早く越してきただけだろ!?てかこんなボロアパートで先輩ズラすんじゃねぇ!」

施設でもいっつもこうだった。
何かとこいつは先輩ズラしやがって…。

「あ、そういえば聞き忘れてたんだけどさ」

ティアラは何を思いついたのか急に真面目なトーンに変わり、俺を見た。

「西島のバカ野郎と澪奈ちゃんってなんで一緒に住んでんの?」

「……そっ、それは、まぁ色々あってだよ!」

「色々って?」

「紆余曲折あったんだよ!」

「紆余曲折って?」