晴れやかな空、穏やかな風。
全てが新しいものに思える。

そんな言葉に等しく始まった高校生活。
僕だって少しくらいワクワクしてた。
ただ高校も中学より勉強が難しくなったくらいでそんなに変わらなかった。


僕は少し暗い方だけど友達も数人いて、カースト上位にはなれる気がしないけれど中級くらいには入ってる気がする。

「羽紗輝(はさき)、今日も一緒に帰ろうぜ」
「いいよ、朔良(さくら)」

話しかけてくれたのは親友である空井 朔良(そらい さくら)。名前は可愛いが正真正銘の男である。

同い年同じクラス、そして同じ電車通学で家が近い。測ったことは無いけれど200メートルくらいだろうか。走れば1分もかからない。