「香夜」
養母に場所を譲ってもらい近くに来た燦人が、改まって名を呼ぶ。
真剣な眼差しに香夜も居住まいを正すと、強い意志と優しさをその目に宿した燦人が口を開く。
「貴女の力を日宮は歓迎する。そして、私は貴女自身が欲しい。嫁に来てくれるかい?」
余計な言葉は邪魔だとでも思ったのだろうか。だが、直接的な言葉は香夜の心を大きく揺らす。
(欲しい、だなんて……でも、そんな風に求めてくれるなら……)
トクトクと早まる鼓動を落ち着かせるように深呼吸をした香夜は、燦人に笑みを返し三つ指を揃える。
「不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します」
頭を深々と下げ、燦人の求婚を受け入れた。
了
養母に場所を譲ってもらい近くに来た燦人が、改まって名を呼ぶ。
真剣な眼差しに香夜も居住まいを正すと、強い意志と優しさをその目に宿した燦人が口を開く。
「貴女の力を日宮は歓迎する。そして、私は貴女自身が欲しい。嫁に来てくれるかい?」
余計な言葉は邪魔だとでも思ったのだろうか。だが、直接的な言葉は香夜の心を大きく揺らす。
(欲しい、だなんて……でも、そんな風に求めてくれるなら……)
トクトクと早まる鼓動を落ち着かせるように深呼吸をした香夜は、燦人に笑みを返し三つ指を揃える。
「不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します」
頭を深々と下げ、燦人の求婚を受け入れた。
了