また様子を見に来るという言葉の通り、燦人は次の日もその次の日も香夜の部屋を訪ねてきた。
「あの、燦人さま。こう毎日様子を見に来ずともちゃんと準備も進めておりますから……」
香夜は何故自分が選ばれたのだろうという疑問を解消出来ずにいながらも、養母の言う通り嫁入りのための準備を進めていた。
「そういう心配をして来ているわけではないよ? 貴女に会いたいから来ているんだ」
「あのっ、ですからそういうことを言われると……私、どうしていいか分からなく……」
燦人の甘く優しい様子は最早いつものことで、それに香夜が戸惑い気恥ずかしい思いをするのもいつものこととなっている。
いつも熱がぶり返してしまったのではないかと思うほどに顔が熱くなり、その熱のせいで赤くなった顔を見られたくなくて俯くと、そっと燦人の指が頬を掠める。
くすぐったくてつい顔を上げると、溶けてしまいそうなほどに甘い微笑みがあった。
「ああ、本当に可愛いな」
思わず零れ出たというような言葉に、香夜はまともに息も出来ぬほどになる。
(こっ、この方は私の息の根を止めるおつもりなのかしら?)
ずっと求めていたという言葉の通り、燦人は自分を必要としてくれているのだろう。
燦人の砂糖と蜂蜜を混ぜたかのような甘さに、たった数日でもそれが理解出来た。
だが、だからこそ謎は深まる。
一体自分の何が良くてそこまで求めてくれるのか。
これ以上絆されてしまう前に、その辺りをはっきりさせようと思った。
「あの、燦人さま。こう毎日様子を見に来ずともちゃんと準備も進めておりますから……」
香夜は何故自分が選ばれたのだろうという疑問を解消出来ずにいながらも、養母の言う通り嫁入りのための準備を進めていた。
「そういう心配をして来ているわけではないよ? 貴女に会いたいから来ているんだ」
「あのっ、ですからそういうことを言われると……私、どうしていいか分からなく……」
燦人の甘く優しい様子は最早いつものことで、それに香夜が戸惑い気恥ずかしい思いをするのもいつものこととなっている。
いつも熱がぶり返してしまったのではないかと思うほどに顔が熱くなり、その熱のせいで赤くなった顔を見られたくなくて俯くと、そっと燦人の指が頬を掠める。
くすぐったくてつい顔を上げると、溶けてしまいそうなほどに甘い微笑みがあった。
「ああ、本当に可愛いな」
思わず零れ出たというような言葉に、香夜はまともに息も出来ぬほどになる。
(こっ、この方は私の息の根を止めるおつもりなのかしら?)
ずっと求めていたという言葉の通り、燦人は自分を必要としてくれているのだろう。
燦人の砂糖と蜂蜜を混ぜたかのような甘さに、たった数日でもそれが理解出来た。
だが、だからこそ謎は深まる。
一体自分の何が良くてそこまで求めてくれるのか。
これ以上絆されてしまう前に、その辺りをはっきりさせようと思った。