もしかしたら大人達が燦人を説得してくれるかもしれない。そうすれば、香夜を選んだのは間違いだったとあの方も認めるかもしれない。
そう思いながら大人達の話し合いを聞いていた。
だが、長である父は決めるのは若君なのだからと煮え切らない態度。
そうしているうちに母が声を上げた。
「よろしいでしょうか?」
母なら自分の味方をしてくれるだろう。
いつも香夜に厳しく当たっている人だ。日宮の次期当主の妻などあの娘には務まらないと一番分かっているはず。
そう思ったのに……。
「私達が何を言おうと決めるのは燦人様です。それに考えてもみてくださいな。あの娘を里から連れ出してくれるということですよ?」
その言葉に場が一時シン、と静かになる。
そうして誰かがポツリと口にした。
「……そうか。あの呪われた娘が里からいなくなるのか」
すると途端に話の流れが変わってしまう。
「穢れた娘をこの里に置いておかなくて済むということか」
「あのみすぼらしい髪色を見なくても済むのか」
などと、香夜が里から出ることを喜ぶような声が上がってくる。
その様子に鈴華が戸惑い焦りを感じていると、場をまとめる様に母が父に問うた。
そう思いながら大人達の話し合いを聞いていた。
だが、長である父は決めるのは若君なのだからと煮え切らない態度。
そうしているうちに母が声を上げた。
「よろしいでしょうか?」
母なら自分の味方をしてくれるだろう。
いつも香夜に厳しく当たっている人だ。日宮の次期当主の妻などあの娘には務まらないと一番分かっているはず。
そう思ったのに……。
「私達が何を言おうと決めるのは燦人様です。それに考えてもみてくださいな。あの娘を里から連れ出してくれるということですよ?」
その言葉に場が一時シン、と静かになる。
そうして誰かがポツリと口にした。
「……そうか。あの呪われた娘が里からいなくなるのか」
すると途端に話の流れが変わってしまう。
「穢れた娘をこの里に置いておかなくて済むということか」
「あのみすぼらしい髪色を見なくても済むのか」
などと、香夜が里から出ることを喜ぶような声が上がってくる。
その様子に鈴華が戸惑い焦りを感じていると、場をまとめる様に母が父に問うた。