三日ほど経ち、やっと熱は下がった。
とはいえまだ咳や節々の痛みが残る。
養母にはうつされても困るから布団から出るなと告げられた。
ついでに、あの宴の後のことも聞かされる。
「全く、お前があのまま気を失ってしまうから燦人様は慌てるわ怒りを露わにするわ……。里の者達も騒然とするばかりでてんで使えやしないし」
愚痴られてしまった。
だがそんなことよりも、自分が日宮の若君である燦人の婚約者となっていることの方が驚きだった。
「とにかく燦人様はお前を選びました。今はしっかり病を治して嫁ぐ準備をなさい」
そう告げて立ちあがろうとする養母を引き留める。
「あ、あの! 本当に私なのですか? あれは夢だったんじゃあ……」
養母が嘘をつくとは思えないが、信じることも出来ずに聞いてしまう。
案の定嫌そうに眉を寄せられたが、「事実ですよ」と簡潔に答えられてしまった。
「じじつ……」
それでも信じられないでいると、襖の向こうから声が掛けられる。
とはいえまだ咳や節々の痛みが残る。
養母にはうつされても困るから布団から出るなと告げられた。
ついでに、あの宴の後のことも聞かされる。
「全く、お前があのまま気を失ってしまうから燦人様は慌てるわ怒りを露わにするわ……。里の者達も騒然とするばかりでてんで使えやしないし」
愚痴られてしまった。
だがそんなことよりも、自分が日宮の若君である燦人の婚約者となっていることの方が驚きだった。
「とにかく燦人様はお前を選びました。今はしっかり病を治して嫁ぐ準備をなさい」
そう告げて立ちあがろうとする養母を引き留める。
「あ、あの! 本当に私なのですか? あれは夢だったんじゃあ……」
養母が嘘をつくとは思えないが、信じることも出来ずに聞いてしまう。
案の定嫌そうに眉を寄せられたが、「事実ですよ」と簡潔に答えられてしまった。
「じじつ……」
それでも信じられないでいると、襖の向こうから声が掛けられる。