好きな人に、好きな人がいた。

しかも、もう付き合っていた。

別に珍しいことでもないんだろうけど、ショックで仕方がなかった。

入学してからずっと好きだったのに、今年入ってきた一年に先を越されるとか……。

でも、あいつに対する気持ちなら、誰にも負けない。

だから、今からでも……。

「清瀬、俺、お前のこと好き」

「……え?」

「だから、あの一年じゃなくて、俺を見て」