「え、そうなの?」

「そなの?って……自分が出るものくらい確認しなよ?」

いろちゃんがあり得ないと言いたげな顔で私を見つめる。

緊張とか色々重なっちゃって確認する余裕がなかったんだもん……。

「はぁ……そんなことより、今から彼氏、出るよ」

「えっ⁉︎本当に⁉︎どれどれ?」

「本当に確認してなかったのね……借り物競走よ」

いろちゃんがそう言った瞬間、借り物競走の一人目が走り出した。