頬をかきながら、恥ずかしそうにそう言う颯くんが可愛くて、心臓が跳ね上がる。

「それより……あの人、誰ですか?」

「え?」

颯くんの指差した方を振り返ると、こっちに走ってきている西部くんがいた。

「に、西部くんっ⁉︎」

「や、やぱり一人で帰らせるのは、よくないと、思って……」

本気で走ってきたのか、息が切れて言葉が途切れ途切れになっている。

「大丈夫……?」