同じ学級対抗に出る西部くんが教えてくれて、慌てて時計を見ると練習が始まる

十分前だった。

着替えもしなきゃいけないのにあと十分だなんてっ!

「ごめん颯くんっ!もう行かないとっ!」

「あ、僕待ってますよ?」

「大丈夫!たぶん遅くなるからっ」

「あ、先輩っ」

あまりにも急いでいたから、颯くんが私を呼び止めても振り向けなかった。