「あゆ先輩!います?」

「あ、颯くん!」

半開きの扉からひょっこり顔を覗かせている颯くんを見つけて、さっきまでの憂鬱が吹っ飛ぶ。

「一緒に帰りませんか?今日は練習、ないんです」

「えっ!そうなの?じゃあ……あっ」

そうだった……。

颯くんがなくても、私が練習あるんだった……。

うぅ……。