本人に直接聞いたわけでもないのに俺が無意識的に考えたことが合っているとは限らない。
どこか腑に落ちない違和感を感じながらも、発券機に人が並び始めていることに気がついたので迷っている暇はないと真ん中の座席で4人分のチケットを購入した。
「はい、これチケットな」
「ありがとう」
一人ずつ適当にチケットを渡していき、同時に料金も受け取る。
「……ありがとう」
西神にも、もちろんチケットを渡したけれど西神は俺のことを真っ直ぐに見ようとはしなかった。
俺、なんかしたかな……?
そう思いながらも西神の隣に立っている美桜へと視線を移した。
「佑香は座席真ん中派って知ってたんだけど、美桜は違った?」
そして、美桜にチケットを渡す前にそう尋ねた。
すると、美桜は一瞬目を大きく見開いて驚いたけれどすぐに表情を戻して「わたしも杉藤さんと同じだよ」と答えた。
「そっか。なんかそんな気がしたんだよな」