既読がついてしまった以上、今更消しても余計に怪しいだけだと諦めた俺は心の中ではあ、とため息を吐きながらゴロンとベッドへと寝転がった。
「はあ。あんたね、わたしがせっかくあんたが休んでた時のノートを見せてあげようと持ってきてあげたのに少しくらい感謝しなさいよ」
そう言って眉間にシワを寄せながら、俺の机の上にバン!と勢いよく置かれた数冊のノートたち。
あまりの勢いにひゅっと喉を鳴らしながらも「さ、さんきゅー」とお礼を伝えた。
まだ鋭い目で睨んでくる佑香に引きつった笑顔を向けていると、ピコンと電子音が鳴った。
美桜からか……!?
佑香に睨まれていることもすっかりと忘れて急いでスマホのロックを解いてトーク画面を開く。
《いいよ。わたしは西神誘うから櫂も杉藤さん誘ってみてよ》
届いたメッセージを読んで俺は何とも言えない気持ちになった。
美桜と遊びに行くことはできるけれど、二人じゃない。