何故、出会って間もないのにこんなにも俺が美桜が気になっているかというと理由は二つ。


一つ目は、俺は高校一年生の春休みに事故に遭って、奇跡的に目覚めてからというものいつも誰かを探していた。


というもの、心の中にぽっかりと穴が開いてしまって大事なものを抜き取られたような寂しさを感じていたからだ。


家族や友達、幼馴染、誰に会っても埋まらなかったどうしようもない寂しさが、美桜に出会ってからまるでパズルの最後のピースがはめられたかのようにすぅっと消えたのだ。


だけど、どうしてそれが美桜だったのかはわからない。


家族に美桜のことを聞いても、みんな知らないと言われるし俺だって接点なんてまるでなかった。


二つ目は、彼女の綴るポエムのような文章に心を奪われたからである。

遅れた分の勉強を取り戻そうと、図書室で一人勉強をしようとした時に見つけた付箋。

何故かわからないけれど、涙が溢れて止まらなかった。