所詮、それくらいの気持ちでしかなかったから。
でも……そんなわたしにもどうしても諦められない人がいる。
それは櫂―――君だよ。
君だけはどう頑張ったってどう自分に言い聞かせたって諦めきれなかった。
わたしの言葉がどこまで君に響くか、届くかはわからないけれどわたしは君の夢を全力で応援したい。
櫂は写真を撮っている時が一番輝いていることをわたしは知っている。
誰よりも写真に対しての情熱があることも。
だから、わたしは覚悟を決めるように小さく息を吸ってゆっくりと口を開いた。
「夢って好きや憧れが詰まってて響きも聞こえもいいけどさ、実際はそれだけじゃなくて叶えるまでに何度も苦しんで、たくさん悩んでたくさん泣いて。それでもみんながみんな叶うわけじゃないでしょ」
突然、話し始めたわたしに櫂は一瞬目を大きく見開いた。
だけど、すぐに真剣味を帯びた眼差しでこちらをじっと見つめる。