確かに上手いと思ったことはないし、言われたこともなかったけれどここまで酷かったとは……。


「ぐうの音も出ませんって顔してる。ふふっ……!」


俺の表情を見ながら美桜はまだ笑っている。


「うるせえな。ここら辺とか星に見えるだろ」

「歪すぎでしょ。ほんと櫂って最高だよね」


確かに歪すぎる。
星って角が5つなのに6つあるように見えるし。


「ぷっ……はは!なんか見れば見るほど星とはかけ離れてて自分でも面白くなってきた」


ふつふつと込み上げてきた笑いを堪え切れず、噴き出した。

そんな俺の笑い声につられて美桜も声を上げる。


「あー、やばいやばい。ツボに入っちゃう」

「冷静に見たらこれ下手過ぎるな。どこに星要素あんの」

「ちょっとこれ以上笑わせないで……っ。あはは……!笑いすぎてお腹痛い」


二人でケラケラとお腹を押さえて笑い声を上げる。

きっと、傍からみたら全然面白くも何ともない話だと思う。

でも俺たち二人にとっては最高に面白くて、この空気も相まって笑いが止まらないのだ。
たまにある本当に気の合う人としかわかり合えない笑いが今生まれている。