そう思い、佑香とのトークを開いて《ありがとな。気が向いたら今度ドーナツ買ってやる》とだけ送信してスマホの画面を落とし、そのままゆっくりと瞼を閉じた。
***
「んん……っ」
再び、重い瞼を持ち上げぼんやりとした視界の中でぐーっと伸びをする。
どうやら、あのまま眠ってしまっていたようだ。
数回、ゆっくりと瞬きをするとぼやけている視界が次第にはっきりとしてくる。
今は何時なんだろうか。
手を伸ばして頭の上にあるはずのスマホを手探りで探す。
すぐに見つかったスマホをタップすると【18:30】と表示されていた。
三時間ほど眠っていたようだった。
最近、夏休みなのをいいことに夜更かしばかりしていたから睡眠不足だったのかもしれない。
「え!?」
眠い目を擦っていたら、視界の中に目を疑うような文字が飛び込んできて思わず声上げた。
《いまなにしてるの?》
それはつい30分程前に届いていた美桜からのメッセージだった。
これはチャンスなんじゃないか、俺にも希望があるかもしれない、と湧いてくる喜びがもう爆発しそうだった。