「じゃあ冬音ちゃん、パーッと楽しむぞー!」

「おーっ」



無邪気な守人さんにつられて、拳を空に突き上げる。

これはこれでかなり目立ったけど……だけど、さっきみたいに「守人さんシー!」と焦る私は、もういなかった。



「守人さん、アレ乗りましょうよ! アレ!」

「お、ジェットコースターいいねぇ。僕は絶叫系得意だよ? 何回乗れるか勝負だー!」

「おーっ」



私の先を小走りした守人さん。

だけど私が遅れたことに気づくと、すぐに立ち止まり、そして――大きなコートをバサリと翻し、私へと長い手を伸ばす。



「守人さん……?」

「人が多いからさ。手、つないどこ?」

「えッ!」



て、て……手⁉