そして私の家の玄関に目を向けた、ちょうどその時。無線でやり取りをしながら、柴さんが出て来た。
一通りやり取りを終えた柴さん。無線を元の場所へ戻し、守人さんを見つめる。
「一葉、頭の喚起は?」
「大丈夫です、ご迷惑おかけしました」
ペコリと、守人さんがお辞儀をする。すると柴さんが僅かに頷き、守人さんの肩をポンと叩いた。
「緊配なので広範囲の事故です。朝までかかりますよ」
「覚悟は出来てます」
「……よろしい」
「それでは失礼します」と、二人揃って私にお辞儀をし、そして去って行く。
小さくなっていく後ろ姿を、私は見送るのだけど、
「あれ……?」