「守人さんは、受け入れられたんですか?」

「え?」

「当時、守人さんは高校生だと聞きました。私と同じ三年生だと。

だけど私、まだ全然で。全然、自分の感情を、自分で処理できないんです。この前も……守人さんに言われた言葉を思い出して、初めて自分の足で、前へ進めたんです」



成希に連れ去られた、あの時。

成希に優しい言葉で懐柔されかけた私は、守人さんのくれた言葉を思い出した。



――嫌な事をされたら、自分が納得できるまで、絶対に許しちゃダメだよ?



あの言葉のおかげで、私は初めて成希に抵抗する事が出来た。

見えない鎖から、やっと解き放たれたような……言葉にできない解放感。それらは全て、守人さんのおかげ。