「勇運くんが、夏海と遊んでくれてるの」
と、返事をした。もちろん、次に聞こえてくるのは「えぇ!?」というお母さんの驚いた声。
だけど私は、
ガチャ――
その声に構わず、外にいる守人さんに会うため、家を出たのだった。
家を出ると、少し離れた電柱の隣に、守人さんがいた。
「あれ、冬音ちゃん?」
「守人さん……」
思わず出てきちゃったけど……しまった、何を話そう。
――一葉、これは指示です。待機
あれは、怒られたって事なのかな? 大人の世界はよくわからないけど、でもあの時の柴さんが纏った空気は、何だか怒ってる気がしたから……。
でも、私みたいな高校生に気を遣われても……嫌だよね?