美紅は恐怖が込み上げ、スマホを床に落としてしまう。菫が「どうしたの?」と訊ねるものの、ただ体を震わせることしかできない。

『美紅ちゃん。そのサンドイッチおいしそうだね。隣にいるのは友達の菫ちゃんだよね。いいな〜。僕も美紅ちゃんと一緒にご飯を食べたいな』

メールの内容に美紅は吐き気を催してしまう。ここにいる全ての人がストーカーに見えてしまい、美紅は鞄を手にすると走り出した。



ストーカーから一日に何件もメールが送られ、恐怖から美紅はマンションの部屋から出ることができなくなってしまった。ストーカーのことを警察に相談しようか考えたものの、マンションの外に一歩出ればストーカーに捕まってしまうのではという恐怖があり、相談にも行けていない。

ストーカーからのメールが怖く、スマホを見ることもできなくなってしまった。ただベッドの上で震えるだけの毎日である。

「私、どうしたらいいんだろう……。このままずっとストーカーに追われ続けるのかな……」