確かにここに入学した理由は初恋相手との約束っていう不純な動機だったんだけど、正直最近はそれよりも善くんのことで頭がいっぱいで忘れてしまっていた。
善くんがわたしをあんなにドキドキさせてくるから夜もなかなか寝付けないんだからね。
「もう素直に好きって認めたら?」
「……でも認めちゃったら好きが止まらなくなりそうで怖いよ」
「止めなくていいじゃん。その感じだと漆葉くんなら全部受け止めてくれそうだし」
「そうなのかなあ」
この芽生えてしまった恋心を隠して、ずっとファンとして応援し続けるのはダメかな?
「うん。ちなみにわたしはずっと満が好きだよ」
「ええ!?」
希織ちゃんの好きな人って満くんだったの!?
それはビックニュースすぎるよ。
「驚きすぎだってば〜。好きでもないと、こんなところ受験しないよ」
「そ、そっか……!」