「き、気まぐれだと思う……」
善くんはわたしに好きになってほしいって言ったけど、よくよく考えたらわたしのことを好きとは一度も言われていない気がする。
ただ、いつもからかってくるだけで今日も、もしかしたら本気じゃなかったのかもしれないなんて思えてきてしまう。
「じゃあ、二人で会って何してるの？ご飯食べてるの？」
「うん。わたしが作ったお弁当を食べてくれてる」
「それもうカップルじゃん。ゆのたんがいつもお弁当2つ持ってきてるからもしやとは思ってたけど相手が予想外すぎたわ」
そんなことを言いながら手でおでこを抑えてブラックコーヒーを飲んでいる希織ちゃん。
お弁当を2つ持って行っていたことまでバレてたんだ……。
わたし、もう希織ちゃんに隠し事とか絶対にできない。
