「あの、その……いつもお昼休みに会ってるの善くんなんだ……」


こそっと耳元で伝えると、彼女は目を大きく見開いてパチパチとさせて驚いている。

そのリアクションが当然だよね。
こんな平凡女子高生とスーパーウルトラ人気の芸能人の彼が一緒にいるなんて想像できないから仕方ない。

現にわたしだって、夢かと思ったもん。
今でも信じられないけど。


「え……?ほんとに漆葉くんと?」


小さな声で確認してきた希織ちゃんの言葉にコクリと頷いた。


「す、すごいじゃん……!え!?付き合ってるの!?」


興奮気味にわたしの手を掴んでブンブンと上下に揺らす。

す、すごい食いつきようだ……。
でも、引かれたりしなくてよかった……。


「付き合うなんて恐れ多いよ!」

「でも、漆葉くんって女の子に全然興味ないって言われてるし、そんな興味のない女の子と一緒になんて過ごさないでしょ」


いつも思うけど、なんで希織ちゃんってそんなにいろんなことに詳しいんだろう。