わたしの言葉に善くんが大きな目を丸くして驚いたと思ったら、クスッと小さく笑った。


「なにそれ。俺のため?ほんと健気」

「だって……!」

「嫌われたかと思って内心焦ってた」


本当に焦っていたのか首に手を当てて視線を合わせない彼。


「嫌いになんてならないよ!!」


確かにドキドキはしたけど、好きが増えちゃっただけで嫌いになる理由なんてどこにもない。


「そんなこと言われたら俺、期待しちゃうんだけど」


なんて、柔らかく目を細めてトントンと自分の横を叩く。
善くんの隣に移動して、教壇に座り込む。

すると、善くんの頭がわたしの太ももに乗る。
すでに目を閉じてス―スーと眠っている善くん。


「期待、していいよ……」


眠っているのをいいことにぼそりと呟いた言葉。

いつか、わたしが自信を持てたらこの気持ちを伝えたいからそれまではただのファンでいさせてほしい。