「3回、ここに来たらって考えとくって言った」

「そんなの覚えてない……!」


確かに言われてみれば、そんなことを言われてた気がするけど本当に善くんが覚えていると思わないじゃん。

わたしの首に顔を埋めている善くんのサラサラの髪が首に触れていてくすぐったい。


「さっきから反抗ばっかりうるさいからまじでその口塞ぐぞ」

「も、もうからかわないでって……!」


言ってるのに、そう言おうと思ったのに善くんが突然オオカミみたいに瞳をギラギラとさせてわたしを床に押し倒したから言葉に詰まる。

視界いっぱいに善くんの綺麗な顔が広がる。


ん……?

わたしってば、なんでこんなことに……?
ただいつもみたいにお昼寝するだけだと思っていたのに。


ドッドッドッと鼓動がうるさいくらい音を立てていく。


「あのさ、柚音ちゃんって俺のことなんだと思ってんの?」


わたしを見下ろしているその顔はちょっと不機嫌そうに見える。