「からかわないでって言ってるのに!」
「全部、柚音ちゃんが悪い」
わたしのどこが悪いっていうんだ!
絶対に善くんのほうが意地悪じゃん。
「さ、食べよ。いただきます」
何もなかったかのように目の前に置かれたお弁当箱を開けて、おかずを頬張る善くん。
やっぱり、ドキドキしてるのはわたしだけ。
ほんと善くんってズルい。
そんなことを思いながらわたしも自分のお弁当のおかずを口に含む。
「今日も美味しい。作ってくれてありがと」
「そう言ってもらえると作り甲斐あるよ」
初めて二人でお昼休みを過ごしたあの日以降、わたしは善くんが来る日は彼の分もお弁当を作ってきていて、不規則で栄養が偏りやすいから健康の為にもちゃんと食べてほしいとお願いしてこうして食べてもらっている。