体育祭は明日。そんな日、私は再び帆香と会う機会があった。

 数日前、私は帆香を感情に任せて叩いた。だから多少なりとも後ろめたい気持ちがあり、自分から声をかける事はできない。

 どうして今更私に接触してきたのか。どうして挑発してきたのか。

 そんな疑問が浮かんでは沈み、また浮かんでは沈む。

「香ちゃん、来てくれてありがとね。それと……この前は流石に調子に乗ってたよ、ごめん。」

「……私は、謝ってほしいわけじゃない。」

「何であたしが今、香ちゃんと話をしようとしてるかが知りたいんだよね?」

「分かってるなら、どうして言ってくれないの。」

 帆香、私とは話したくないって言ってたじゃん。散々嫌味言ってきたじゃん。

 それなのにどうして……今になって。

 私と帆香は以前、仲が良かった。親友って言えるくらい、それくらい仲が良かった。

 その関係が壊れたのは、ほんの些細な事で。

 私が帆香の彼氏をたぶらかした――……なんて、嘘の噂が流れたからだった。

 もちろん私はそんな事してないし、出所が未だに分かっていない。まぁ嫌がらせって考えたら、納得はできるんだけど。