はぁ……ほんと、ぶっちゃけると迷惑、なんだよなぁ。

 ここ最近何度ため息を吐いたか分からない。

 けど、何度吐き出しても吐き出したりない気がした。

 そして今日も例に漏れず、佐納さんは来た。

「ねぇ香ちゃん、ちょっとだけ中庭寄らない?」

「……いい加減にしてください。」

「え?」

 私、これまでに何度も言ってますよね?

 それなのに食い下がってきたのは、そっちでしょ。

「しつこいんです。私、あなたのこと振りましたよね?」

 だから、こう言う権利が私にはあるはずだ。

 こっちは何回も、呆れるほどオブラートに包みながら避けてきたし振ってきた。

 ……だけど流石に、我慢の限界だ。

「悪いですけど、私に関わらないでください。金輪際。」

「……僕のこと、嫌い?」

「好きとか嫌いとか、そういう話じゃないです。次来たら、容赦なく殴りますので。」

 脅すような真似はしたくなかったけど、致し方ない。

 きっと、この人にはこれくらい言わなきゃ分かってくれない。

 ……逆に、ここまで言わなきゃ分からないのかって心配になるけど。