「……ふ、っ……く、くすぐったっ……しず、る……っ。」

「ほんと、弱いよね。ここ。」

「わ、分かってるならやめ……っ。」

「香が可愛すぎるのが悪い。」

 ひ、人のせいにされても困るんだけど……!

 太ももの弱い部分を撫でられ、ビクッと体が跳ねる。

 静流は私に触れてると、幸せな気持ちになるらしい。

 普段から抱きしめてくるわキスしてくるわ、所構わずスキンシップしてくるわ。

 ……私からしたら、耐えられないくらい恥ずかしいんだけど。

 だけどそう言えないのは、私も満更じゃないからかもしれない。

「あっ、や……しずる、だからくすぐったいって……っ。」

「……香さ、これ好き? こうやって抱きしめられながら触られるの。」

「……き、聞かないで、そんなことっ。」

 ただでさえ、心臓爆発しそうだっていうのに。

 恥ずかしさとくすぐったさと、嬉しい気持ちが混ざりに混ざってよく分からなくなってくる。

 流石に耐えられなくなった私は、静流に反抗した。

「きょ、今日はもう禁止! 一旦離れて……!」