大穴の中は内側に入り込むように渦巻き、まるですべてを飲み込んでしまうかのようにぽっかりと口を開けている。
「な…、なんですの…これは…!?」
突然出現した異空間へと続く不気味な大穴に、恐れおののく乙葉。
「心配するな。行き先はそなたの実家だ。荷物もあとで飛ばしてやる」
「…やっ、やめ――」
「あと、黒百合さんに伝えてほしい。俺を葬りたければ、今度は自らがお出でになるようにとな」
玻玖は、和葉の短刀を乙葉に向かって放り投げる。
そして、大穴は逃げようと抵抗する乙葉を吸い込むと、一瞬してその口を閉じた。
空間に消える大穴の口。
気づいたら、すぐそこにいたはずの乙葉がいなくなっていた。
まるで狐につままれたような…。
和葉は、今目の前で起こったことに頭がついていけなかった。
「な…、なんですの…これは…!?」
突然出現した異空間へと続く不気味な大穴に、恐れおののく乙葉。
「心配するな。行き先はそなたの実家だ。荷物もあとで飛ばしてやる」
「…やっ、やめ――」
「あと、黒百合さんに伝えてほしい。俺を葬りたければ、今度は自らがお出でになるようにとな」
玻玖は、和葉の短刀を乙葉に向かって放り投げる。
そして、大穴は逃げようと抵抗する乙葉を吸い込むと、一瞬してその口を閉じた。
空間に消える大穴の口。
気づいたら、すぐそこにいたはずの乙葉がいなくなっていた。
まるで狐につままれたような…。
和葉は、今目の前で起こったことに頭がついていけなかった。