玻玖はそう囁き、見つめ合う和葉にキスをする。


「い…いけません!乙葉に見られたら――」

「見られたら見られたらで、かまわない。気まずくなって、実家に帰りたがるかもしれないしな」

「旦那様ったら…」


ほんのりと頬を赤くする和葉がかわいくて、玻玖はもう一度その唇を奪う。


『もしかして、他に女の人がいらっしゃったりして…!』


そのとき、突然乙葉の言葉を思い出し、慌てて顔を引き離す和葉。

見ると、玻玖は不思議そうに和葉に目を向けている。


「…どうした?」

「あ…、えっと、その…。さ…先程、足音が聞こえたような気がしまして…」

「あの娘か?」

「そうかもしれません…!だ…旦那様がよくても、わたしが…恥ずかしいです」


顔を赤くしてうつむく和葉。

その姿を見て、玻玖がクスッと笑う。