固まる和葉。


「だってお姉ちゃんと東雲様って、同じ部屋でおやすみになっていないのよね?」

「…そのどこがおかしいっていうの?」

「わたくしの結婚したお友達はみな、結婚初夜から旦那様とは同じ部屋だと話していたわよ」

「そう…なの?」

「ええ。すでに、子どもだっている友達も多いわ」


これまで夫婦喧嘩もしたことはなく、玻玖とはいい夫婦関係が築けていると思っていた。

そんな和葉を一気に不安が駆り立てる。


「…まあ、お姉ちゃんってわたくしと違って魅力的とは言えないし」


含み笑いをしながら、和葉を見下ろす乙葉。


「そんな地味な見た目じゃ、東雲様が違う女性に目移りしたっておかしくはないわよね。なにをお考えになっているのか、いまいちよくわからないし」


乙葉の言葉が和葉の胸をえぐる。