「アラッ……このガキどもめ…」
「先生口悪いです」
水城先生は「お前らがいい子にしてたら口悪くなってないわ!」と突っ込んでくるけど、言い訳だよね。
「俺も体育にすりゃよかったなぁー」
「…先生、運動好きですよね、意外と」
「超好き。それなのに世界史って…」
水城先生。
担当教科は世界史。
部活はバスケ部。
去年から球技大会とか、体動かす系の行事は誰よりも張り切ってた記憶ある。
「なんで世界史にしたの?」
今度は乃蒼が聞いた。
先生は「んー…」と唸ってから。
「頭使いたくなかったからかな」
って。
先生。
世界史だって頭使うよ。
あれこそ暗記ゲーだもん。
覚えることたくさん。
「なんで教師になったのか一番謎」
「そりゃ、子供が好きだったからだろ」
「過去形だし。…今は?」
先生が教師になった理由、ずっと気になってたけど。
案外、単純?