乃蒼に言い返そうとしたところで、今度はうしろから声がした。
「お前らサボりか?」
慌てて振り向くと、見覚えのある教師の姿。
あたしたちの隣の隣のクラスの担任。
水城十環(ミズキ トワ)先生。
真っ黒なワイシャツに、今日は白色のジャンパーを羽織ってる。
遊佐先生に引けを取らないくらいイケメン。
「ちがいます」
あたしがツンと答えても、水城先生はあたしたちのうしろにしゃがんでドッジボールの観戦をはじめた。
「先生はなんでここにいるんですか」
「ん? そりゃ、ウォーキングしてたわけよ」
「おじいちゃん…」
あたしが呟けば、先生はすぐさま「なに? まだ25歳だけど!?」と反論してくる。
「アラサーじゃん」
そういったのはあたしじゃない。
乃蒼。辛辣すぎて、思わず笑っちゃった。