「っ…た、泰志…?」
「うん」
…そう。
俺は、今だけお前の先生じゃない。
遊佐泰志。
ひとりの男。
弥生の、彼氏。
ちゃんと分かってて。
毎日、俺のこと意識して。
…めちゃくちゃわがまま。
恋人なんだから許してね。
「これから。二人きりのときは泰志って呼ぶって約束できる?」
付き合ってること周りに言わない約束も守れてるんだから、これくらい約束できるよな?
…ずるいって、自分でも思う。
「…う、うん…っ」
顔を近づけると、弥生はきゅっと目をつぶって顔を真っ赤にする。
…うわ、なにそれ。かわいすぎ。
「弥生」
何度でも呼びたい。
”百瀬弥生”って名前、ぜんぶ好き。
目の前で赤面している、誰よりも愛おしい人。
「……なに、たい…し」
不意に顔を上げた弥生に。
我慢できず、口をつけた。