先生がいないとダメなくらい、依存したかったし。
甘い甘い、お砂糖たっぷりの時間がほしかった。



その相手は、ぜったい。
先生じゃないと、ダメだった。





「先生、簡単にかわいいとか言うしさ。いつも大人の余裕だらけで、あたし負けっぱなしなの」


「…いや、それは…」


「それは…?」


「かわいいのは、事実だから」





あーあ。
先生って、残酷。



それが思わせぶりって、わかんないのかなぁ。



でもね。
先生のこと好きだから、許してあげる。





「最近、前より先生のこと好きになってて、変になりそうなの。…責任取ってよ?」





ずるい告白。
断るなんて、許さない。



…あたしのこと、まっすぐ見て。
目、そらさないで。





「——大好きだよ、先生」





もう一度だけ伝えるね。




あたしの期待も裏腹に。
先生は、目を伏せがちに、顔を逸らした。





「…俺、まだ決断できない」


「……教師、だから?」





先生はゆっくり頷く。