もうそれ、恋じゃんって。
本気になってんじゃん、って思った。



でも…泰志には言わなかった。




幸せになってって思う反面、泰志が年下相手の恋でドギマギする様子を見てみたかったからかな…。




どっちにしろ、おもしろくてしかたなかったよ。
あの泰志が振り回されてるんだもん。




わたし、優しいからね。
十環くんにはこの話、しないでおいてあげた。




十環くんは一応同じ学校の教師だし、めんどうなこともあるだろうから。





とにかく…。
泰志は、今わたしの目の前に座る生徒、百瀬さんのことが間違いなく好きだ、と思う。





百瀬さんはコーヒーを飲みながら、だいぶリラックスしてきた様子。
今日、最初会ったとき緊張でガチガチだったしね。




それにしても。
泰志があれだけ推すだけある。
近くで見るとより一層かわいい。




色素の抜けた茶髪。
きめ細かな白い肌。
大人しめなのにしっかり綺麗な顔立ちを引き立たせるメイク。