そして、終礼が終わってすぐスマホを確認したら。
【 ついたよ 】
の一言。
終礼が終わる時間伝えてないのに、ほぼ誤差ないとか…怖。
俺は慌てて教室を出て、校門へ向かう。
別に客人として学校の中に入ってきたらいいのに。
「飛鳥!」
俺が呼ぶと、スマホを見ていた飛鳥は顔を上げて、手を振ってきた。
「急にごめんね」
「ホント……突然すぎ」
呑気に笑ってるけどな。
そんな場合じゃないぞ。
「あ、はい、これドライヤーね」
「ん。…お前これ使った?」
「ほぼ毎日? まぁでも、結婚したし、旦那と共用のやつ買いなおしたから」
そうか…。
もちろん、もう飛鳥に未練はないんだけど。
なんとなく、寂しいような。…わがままだよな。
「…で。どうなの? 百瀬さんのこと」
「どうって…」
飛鳥の、この見透かすような目が苦手だ。
心を読まれそうで、10秒以上見つめられなかった。
昔から、そう。