そうじゃないの。
先生、なんにもわかってない。
「…せんせ、あたしも女の子だよ?」
ふたりきりの車内でこんなこと言うの、ずるいかな。
だけど。
ちょっとくらい、ずるくならせてね。
いつも、先生の方がずるいからね。
「…何言ってんだよ、おまえ」
困惑してるね。
うん。もっと困って。
呆れたように、「バカだなぁ」って笑って。
「先生、あたしのこと、意識してね」
「……」
先生は都合が悪いのか、それ以上喋らなかった。
前を向きながら、片手でハンドルを握る先生に見とれてみたけど。
ほんのり、顔が赤くなっているような気がした。
先生、大好き。
でも、その言葉はお預け。
今度はあたしが…。
先生に、“イタズラ”を届けるね?