テーブルに着席すると遥さんがワインボトルを持って、由希ちゃんに訊ねた。


「ワイン、飲みますか?」

「わー、飲みます!」


 由希ちゃんは嬉しそうにグラスに注がれる赤ワインを見つめた。

 そして遥さんは私にはキッチンから別のドリンクを持ってきた。

 細長いグラスにはピンクとブルーの爽やかな色が折り重なった飲み物が入っている。


「君はこれ」

「わ、なんですか?」

「ノンアルコールカクテルだよ」

「ありがとうございます!」


 すごーい。私にもこんなの用意してくれるなんて、遥さん出来すぎだよ。


 カクテルドリンクはほのかに桃の香りがした。

 乾杯してひと口飲んでみると桃ジュースの味とミントの爽やかな感覚に口当たりがとってもいい。


 由希ちゃんはお酒好きだから、最初からガンガン飲んでいる。

 お料理もとっても美味しいし、由希ちゃんは明るく話してくれるし、遥さんは笑顔で対応してくれるし、食事は和やかに進んでいった。


 ふと、由希ちゃんが遥さんに質問をした。


「ところで、なぜいろはと結婚しようと思ったんですか?」


 やっぱり、それ訊くよね。

 だけど、私も知りたいなと思ったから耳を傾けた。