「ああっ! 見つけた。25番の方~!」


 燕尾服を着た男子生徒がマイクを手にして飛び込んできた。

 そのとなりには真っ赤なイブニングドレスを着た女子生徒もいる。

 そしてカメラを回している子や、♡型の風船をたくさん持った子もいる。

 さらに、彼らの背後には複数の生徒たちがついて来ていた。


「25番の方、よかったらお名前どうぞ~」

 男子生徒にマイクを向けられて、遥さんは笑顔で答える。


「遥です」

「では、遥さん。告白をしたい方のお名前をどうぞ~」


 何が起こっているのか、突然すぎて頭が混乱した。

 だけど、これは学園祭の名物イベント【愛の告白大会】だ。


 どうして遥さんがこれに参加してるの?


 彼がとなりの私に笑顔を向けて言った。


「彼女、いろはです」

 司会者の人も周囲にいる知らない生徒たちもみんな、一斉に私を見た。


「な、なんと……うちの学校の生徒ですよ!」

 きゃあ~と周囲の生徒たちの甲高い声が保健室に響きわたった。


 は、恥ずかしい……!

 どうして、こんなことに……?


「いろは、頑張れー!」

 と小春が謎の応援をしてくれた。


 小春のキラキラした()

 絶対ネタにする気だよ。