った。
私は、彼の喧嘩を見て、喧嘩には、絶対に似合わないようなときめきを感じていた。こんな気持ち初めて……この気持ちってなんなの?
いつも教科書どうりの、答えのある問題しか解いてこなかった私にとって、この問題は、みちの答えのない問題になった。

そんなことを考えていると、
「おい、大丈夫か?」
という声が頭の上から降ってきた。さっき投げられた時に怪我したのだろう足が、尋常じゃないほどの痛みを発している。正直、痛い。でも、そんな足より胸の方が痛いということにきずいた。
「いえ、大丈夫です。足を引っ張ってしまいごめんなさい。では、」
そう言い残して、この場をさろうとした。けど、彼に腕を掴まれる。