恐る恐る扉を開けると、中に居た2人は目を見開いた。


「お前…」


「…あ!あなた、梨耶ちゃんよね!?」


「は、はい…」


何でこの人は、私の名前を知っているの?

「戸惑ってんだろ」と先輩が庇ってくれた。

…やめてよ。

これ以上、優しくしないでっ!

惨めじゃない…。


「朝都なんかより、私の方がいいわ!私は優里亜(ゆりあ)!よろしくねっ、梨耶ちゃん!」


「えっと、梨耶、です…よろしくお願いします?」


そう返すと、嬉しそうに笑う優里亜さん。

可愛らしい方だなぁ。


「…さすが先輩の彼女」


「え?」


「は?」


先輩と優里亜さんの声が重なる。

え、…あっ!声に、出てた!?


「ふっはははっ!私と朝都がっ?ないない!」


お腹を抱えながら笑う優里亜さんを見て、さっきのことを思い出した。

聞いても、いいのかな…?


「…私は保健室に戻るわ。説明してあげてね?朝都」