あの後のことは、よく覚えていない。

ただ…少しだけ、幻滅してしまった。

ハハ…ッ

バカだなぁ。

普通の女の子なら、冷めて、次の恋に移るのかな?

なんで…なんで、諦められないんだろう…?

…いや、分かっていたはずだ。

私は、どうしようもないくらい先輩が好きなんだ。

4限目が終わり、美那と直月に「屋上行こうか」と気を使わせてしまった。

直月は、校則を破っている生徒が居たから指導に行った。

美那は、ストッパーとして着いて行ったので、私は先に屋上に行くことに。

扉の近くまで行くと、話し声が聞こえた。

…え、この声…。


「朝都!嶺緒から聞いたんだけど!!どういうこと!?」


「うっせぇな。お前には関係ない」


「関係あるわよ!!私は、あんたの姉なんだから!!」


「姉つっても、生き別れのだろ。…誰かいんのか?」


居ることがバレてしまったことより、“生き別れの兄弟”って…?